実施時期: 2024年11月|2026.06.02 最終更新
プロジェクト期間: 半年未満
企業規模: 1,000人以上
※イメージ画像です

プロジェクト概要
アプローチと成果
カテゴリー詳細
お問い合わせ
こんな課題を持つ企業におすすめの事例です
金融業界をはじめ、システムの高度化や複雑化が進む中、基幹システムのインフラをバージョンアップする作業は、膨大な時間とコストを要する課題となっています。特に、バージョンアップに伴う非互換性の特定と対応は、システム停止などの重大なリスクを伴います。
経済安全保障推進法に基づく特定重要設備を保有する金融機関にとって、安定稼働を維持しながら効率的にシステムを更新することは喫緊の課題でした。このような背景から、株式会社三井住友銀行のシステムバージョンアップにおいて、生成AIを活用して生産性向上と安定稼働の両立を目指すプロジェクトが立ち上がりました。
株式会社日本総合研究所と富士通株式会社は、三井住友銀行の「Red Hat Enterprise Linux(RHEL)」のバージョンアップに伴う非互換対応において、生成AIを活用する共同実証を実施しています。
プロジェクトは検証と実行の2つのフェーズに分けて進行しています。検証フェーズでは、富士通が開発した生成AIを活用した独自のシステムを導入し、リリースノートなどの膨大なドキュメントから非互換情報を約400個抽出しました。さらに、対象となるC言語およびbashシェルで記述された約380キロステップのアプリケーションに影響を及ぼす非互換箇所を特定しています。続く実行フェーズでは、特定された非互換情報に基づき、アプリケーションのソースコード修正作業にも生成AIを適用し、さらなる効率化を図る取り組みを進めています。
改善・向上したこと
業務の自動化
生産性向上
対応時間・リードタイムの短縮
推進したこと
プロトタイプ開発(PoC)
検証フェーズの実施により、従来は目視や手作業で精査していたリリースノートからの非互換情報抽出作業において、所要時間を約65%削減するという大きな成果を達成しました。膨大なドキュメントの確認にかかる時間と労力を大幅に軽減し、効率的なシステム移行の道筋をつけています。
今後は、この品質評価結果をもとに、大規模金融システムの知見を活かしてグループ内のさまざまなシステム開発プロジェクトへ適用範囲を広げ、さらなる生産性向上と安定稼働の両立を目指していく方針です。
情シス・社内DX
古いシステムの移行・刷新
IT・通信
ソースコード生成・開発支援
文書・ナレッジ
仕様書・コード・技術資料
採用したAI技術
テキスト・言語AI
データ抽出・入力自動化
その他のツール
構築・利用したデータ基盤・インフラ
Red Hat Enterprise Linux
WarpBiz編集部の事例考察
本事例の成功の最大の要因は、膨大なドキュメントの目視確認という属人的で時間のかかるボトルネックに対し、生成AIによる情報抽出をピンポイントで適用した点にあります。このアプローチは金融業界に限らず、製造業やIT業界におけるレガシーシステムのマイグレーションや、大規模なソフトウェアのバージョンアップ作業など、他業種でも広く応用できるでしょう。導入にあたっては、AIが抽出した非互換情報が正確であるかを最終的に判断するエンジニアの知見や、セキュリティを担保した検証環境の構築が不可欠となります。同様のシステム保守・運用におけるAI活用を検討される方は、ぜひ他の事例記事もご覧いただき、自社に合ったツール探しにご活用ください。
情報通信業。大規模金融システムの知見やノウハウを持つ。
関連度の高い事例を選定しています。少しお待ちください。