実施 2023.03 ・ 更新 2026.08.17
社内問い合わせの集中をAIチャットボットで解く、Q&A整備の進め方
プロジェクト期間:半年未満
※イメージ画像です

取り組み概要
やさしく事例解説
プロジェクト解析
実施・導入企業
こんな方へおすすめのAI解説です
- 社内からの問い合わせ対応で本業が進まない
- 営業時間外の質問に応えられない
- マニュアルやFAQ更新に手間がかかる
どのようなAIの取り組み?
AIチャットボットで社内の情報システム問い合わせに自動応答し、資料作成の工数削減に取り組んだ事例
業種
高速道路の建設・管理(インフラ)
取り組み領域
情報システム部門/社内問い合わせ対応
使ったAI
AIチャットボット(NEC Digital Assistant)
主な成果
マニュアル・FAQの作成工数を大幅に削減
高速道路の建設・管理を担うNEXCO西日本が、情報システム部門への社内問い合わせ対応にAIチャットボットを取り入れた事例です。従来は社内ポータルの電子掲示板とITヘルプデスクの電話で対応していましたが、クラウドサービスの利用拡大に伴い問い合わせが増え、部門の負担が高まっていました。同社はNECの「NEC Digital Assistant AIチャットボット」を採用し、利用者の多様な言い回しを吸収する仕組みと非IT技術者でも運用しやすい操作性を重視。既存の掲示板の情報を土台にQ&Aとシナリオを再構築し、約5カ月かけて約200種類の質問を想定した内容を実装して本番稼働に至っています。マニュアルやFAQの作成工数の削減が成果として挙げられています。
出典:AIチャットボットで簡単な質問に自動応答 情シスの負担軽減とITヘルプデスクの対応力向上を両立 発行元:日本電気株式会社
やさしく事例解説
何に困って、AIを入れたのか
導入前の状況を整理すると、社内ポータルの掲示板に質問と回答を掲載し、解決しない場合はヘルプデスクが電話で応じる体制でした。ところがサブスク型クラウドサービスが広がり、アップデートや新機能に関する問い合わせが増加。掲示板に載っている内容でも直接電話が来るようになり、しかも始業時や終業前に問い合わせが集中していました。
編集部の見立てでは、ここでの困りごとは単なる問い合わせ件数の増加ではなく、「答えはすでに用意されているのに、利用者がそこにたどり着けていない」という到達の問題だったのではないでしょうか。掲載済みの情報がありながら電話が鳴るのは、掲示板が探しにくかったり、そもそも探す前に人に聞いたほうが早いと判断されていたことを示しています。加えて、対応が日中に限られていたことで、質問が集中する時間帯と対応可能な時間帯がずれていた点も、負担を押し上げていたと考えられます。
どうやって、うまくいったのか
うまくいった背景としてまず挙げたいのは、利用者側の言葉のばらつきを受け止める設計を最初から重視した点です。社内問い合わせでは、同じ内容でも人によって言い回しが変わります。採用されたシステムは独自のテキスト含意認識技術で多様な表現の意味を解析する仕組みを持ち、日本語の「ゆらぎ」を吸収する前提で設計されました。答えが用意されていても検索でたどり着けなければ電話に戻ってしまう以上、この「表現の違いを許容する」入口の設計が、自己解決を後押しする鍵になったと見られます。
次に効いたと考えられるのが、既存資産を作り直したうえで載せ替えた運用の手順です。掲示板の情報をそのまま流用するのではなく、AIチャットボット向けにQ&Aとシナリオへ再構築しています。単なる移植ではなく、チャットで答える形に合わせて質問と回答を組み直したことが、回答の精度につながったのではないでしょうか。
そして、自社だけで抱え込まなかった点も見逃せません。ゆらぎをどこまで許容するかの見極めや整備が難しい部分をベンダーであるNECが支え、約5カ月で約200種類の質問を想定した内容を整えています。非IT技術者でも運用できる操作性を条件に置いたことは、稼働後に情報システム部門が自ら手を入れ続けられる状態を意図した選択だったと考えられます。
具体的に、どんな成果が出たのか
改善・向上したこと
推進したこと
この事例で出た成果
成果として挙げられているのは、マニュアルやFAQの作成工数の大幅な削減です。従来は画面のスクリーンショットを多用した網羅的な資料を作っていましたが、質問文と回答文を短文でフォーマットに入力するだけで済むようになりました。今後は利用件数や時間帯別の状況、正答率などを定期的に分析してQ&Aの範囲拡大や改善を続ける計画で、情報システム以外の部門への展開や、手続き処理の実行までをガイドする仕組みへの発展も視野に入れています。
うちでも使える?
この進め方は、総務や人事など定型的な社内問い合わせが多いバックオフィス業務にも応用の余地があると考えられます。すでに答えは決まっているのに人への問い合わせが絶えない、対応が特定の時間帯に集中する、といった状況であれば、同じ構図が当てはまりやすいでしょう。一方で、その場ごとに個別判断が必要な相談や、前例のない例外対応が中心の業務では、自動応答だけで完結させるのは難しく、効果は限定的かもしれません。
見落としたくないのは、稼働後の運用です。この事例でも利用状況や正答率を分析して改善を続ける前提が置かれており、言い回しのばらつきを想定した整備と継続的な調整の体制をあらかじめ用意しておくことが、精度を保つ条件になります。まずは自部門に寄せられる問い合わせを一定期間書き留め、同じ質問がどれだけ繰り返されているかを眺めてみるところから始めてみてはどうでしょうか。
この事例は2023年3月時点の情報です。AI分野は変化が速いため、現在は同様の取り組みをより短い期間・少ない負担で実現できる場合があります。
プロジェクト解析
プロジェクト内容
AIツール・サービスの提供形態
導入部門・データ活用
導入部門:全社共通・汎用業務
活用したデータ:文書・ナレッジ
採用したAI技術・ツール
採用したAI技術:テキスト・言語AI
AIモデル・ツール
プロジェクト実施・導入企業
NEC
独自研究のテキスト含意認識技術を活用した「NEC Digital Assistant AIチャットボット」を提供する企業。多くの顧客へのAIチャットボット提供で蓄積したノウハウを活かし、登録するQ&Aとシナリオの作成支援も行う。
西日本高速道路株式会社(NEXCO西日本)
出典・参考情報
AIチャットボットで簡単な質問に自動応答 情シスの負担軽減とITヘルプデスクの対応力向上を両立
発行元:日本電気株式会社
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